今月のひとり言 二十四節気の立春も過ぎ、暦の上では春だと言うのに、まだまだ寒い。

海外ではトルコ・シリアの巨大地震、3万人近い人が亡くなり大変な事になっているが、シリア等は政局がらみで援助が行き届かない。一方、ロシア・ウクライナは一年以上続いている戦争で、これまた大勢の人が亡くなっている・・・人間って愚かな動物だとつくずく思う (´;ω;`)ウゥゥ

 我が国では3月16日からマスク生活は個人の自由。但しラッシュアワーや高齢施設への訪問・病院の通院等、それ以外は自己判断と言う事であるが、トラブルが起きないことを願うばかりだ。最近では人を慮るどころか、直ぐキレ暴力にうったえて、果ては人を殺し兼ねない (´;ω;`)ウゥゥ。  フィリピンの集団詐欺、最近ではうかつに宅配業者にも注意がいる、人を気遣う日本人の魂は  ああ~どこえやら …(・_・D フムフム、 そろそろ本題にはいるか。

                  改善入門  トヨタ、物流方式 Ⅵ

 物流の自働化

 TPSで言う物流の自働化とは、自動設備で操作される現場を言うのではなく、考え方として、「自働化の原則が実現できている現場」となっているかと言う事である。つまり「正常と異常が目で見て分かる現場」となっている事である。作業の進捗状況、人の動き、物の置き方、情報の流れ等、全ての面で正常と異常が分からなければならない。そのためには、現場のあらゆるものに物指し(標準)をつくる事が重要である。標準から外れたものは、異常と考え、その異常が誰が見ても分かる状況にしておく事である。そうする事で効率的に問題点を発見し、再発防止が図られるようになる。

☆最近では、物流設備の自働化、情報処理のシステム化が進んでいるが、そのような現場でも、自働化の基本原則は、必須である事は言うまでもない。見える化、ポカよけの施されていない自働化はブラックボックス化し、トラブル時の混乱のもととなる。現場をきちんと管理するためTPSでは、以下のような「目で見る管理ツール」を用いる。

人・・・・標準作業票・定位置停止・アンドン・ペースメーカー

物・・・・置場表示(所番地、量、先入先出)・標準手持ち

情報・・・かんばん・作業指示板・生産管理板

設備・・・取り扱い基準・定期点検(自主保全、専門保全)

☆物流現場では、異常を次工程に送らないことは特に重要である。誤品出荷の場合、時間的にも距離的にも離れた次工程に送られてしまったり、直接消費者に渡ったりして、処理コストだけでなく真因の追求も困難になる事があるからである。 (# ゚Д゚)

 標準作業

 標準作業とは、「人の動きを中心として、ムダの無い手順で、安全・高品質で且つ効率的な作業をするやり方」である。標準作業は現場作業のよりどころで、管理・監督者が自分の工程を管理する基礎となるものであり、改善の土台である。作業者任せで作業者が勝手な手順で作業を行っていると正常・異常の判断が出来ず、改善も出来ない。従って、標準作業は、①人の動作を中心とし②繰り返し作業を③職制が意思と責任を持って与えることが前提となる

☆トヨタ式で言う標準作業は、改善の道具としての意味合いが大きい。単なる作業手順書では無い。職制が意思を持って与えたものは、職制が意思と責任を持って守らせねばならない。守られなければ守れない原因を追求し改善をしていく。従って標準作業は不変ではない。むしろ変わっていくことが、改善の証である。一年も前の標準作業票が色褪せたまま、掲示してあるような職場は死んだ職場といってよい。人(外部)から与えられた標準作業票では、やらされ感が先行してしまい勝ちであり、守りにくい守られにくい。このような場合でも、改善によって、標準作業を変えていくと言った職場風土をつくらねばならない。たまにある作業では、繰り返し作業ではないと言う屁理屈で標準作業が出来ないとされる事があるが、頻度は稀であっても、同じ手順でできるようにしていかなければならない。

 標準作業には、三要素となるものがあり、その一つでも欠けると成り立たない。

「タクトタイム」「作業順序」「標準手持ち」である。 (;´д`)

 

 タクトタイム

タクトタイムとは、1個を何分何秒で作業しなければならないかと言う時間の事であり、タクトタイム=日当たり稼働時間÷日当たり必要数で求める。日当たり必要数が1,000個、日当たり稼働時間が480分の場合、タクトタイムは480÷1,000=0.48分、即ち28.8秒となる。これは28.8秒に1個物を造る(運ぶ)と言うことである。作業は、この時間よりも、早すぎても、遅すぎてもいけない。タクトタイムで作業することにより手不足か、手余りかが明確になり、欠品や造り過ぎを抑える事になる。

☆物流で最も欠けている概念である。そのため現場がしまりの無いものになってしまている。結果としてリードタイムが長くなったり、余分な人・物(在庫)(罪庫)をかかえ、生産性を落してしまっている。むしろ、こうしたムダを前提に作業を何となくやっているのが物流の実態であろう。何となく間に合えばOK・・・とか。

その日の作業量が直前にならないと分からない、従って作業の平準化が出来ない。と言ったことが、出来ない・やらない理由になっているが、在庫を罪庫とみなしリードタイムの短縮を図るための努力と、原単位時間を明確にし、多能工化を進め、応受援体制を図り、決められた時間に作業をやりきると言う強い意思とリーダーシップが求められる。

 作業順序

作業者が作業をしていく順序であり、決められた手順で作業を行う事が、安全、品質の維持に不可欠である。

☆決められた手順が、作業順序の基本である事に間違いはないが、どこまで決めるのか、決めてあるのか、によって大きな差が出るものである。単に作業順序を決めるのではなく、如何にムダ・ムラ・ムリなく作業を進めていくかまで落とし込んではじめて真の作業順序と言える。つまり右手、左手の使い方、足の位置、物のつかみ方、等々。物流現場では、こういった細部までの落とし込みが出来ていないところが多く、結果として作業者間の生産性に大きな差が出ている。職制が、自らよく考えて決める事が基本であるが、生産性の高い作業者の働きをビデオでとって分析し参考とする事も一考である。また動きをスムーズにするための小道具の考案や手元化等を行う。ベテラン作業者の「カン・コツ」なるものの大半は、標準化出来るとの信念を持つべきである。もっとも新人にすぐ期待するのでなく、しっかりとした導入教育(訓練道場なども考え)をしなければならない。物流現場では、パートさんだし、人の入れ替わりが多いから(こんなことできない)と言う愚痴(言い訳)をよく聞くが、だからこそよけいに必要であるとの認識にたつべきである。 

 標準手持ち

生産工程では、繰り返し作業を効率的に行うため必要な、最低限の工程内仕掛かりを、標準手持ちと呼ぶが、物流では、工程間のつなぎのための最小仕掛かりも標準手持ちと呼び作業の1サイクル分が原則である。

☆例えば、仕分け作業と棚入れ作業の場合、棚入れ作業者の作業をスムーズに途切れなく行うため、棚入れ台車一台分は標準手持ちとして設定する等、 …(・_・D フムフム…ケースによっては、まだ他にもある。

 標準作業の種類

 トヨタでは、タイプⅠ、タイプⅡ、タイプⅢの3種類に分けている。

タイプⅠとは、定位置作業で、作業順序が一定で、繰り返し作業の出来る工程での呼び名である。タクトタイムでの回り作業を標準化するもので、標準作業票で書き表せる。

タイプⅡとは、タクトタイムは算出できるが、多種混合ラインでの生産のため、作業者の動きが複雑となってタイプⅠでは表しにくいため、山積み票で表現する標準作業の呼び方である。車両組立ラインがこれに当てはまる。

タイプⅢとは、アンドンで呼び出し作業を行う工程内運搬や保全等の作業がある。タイプⅡと同じである山積み票を使って表すが、タイプⅡのようにタクトタイムが算出できないため、定時に対して工数を積み上げるものである。

  今日はここまで。  最後は少人化と省人化についてと物流に於ける少人化について考える。 以上。

 

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